要領悪いひとは人工知能になろう
人工知能は統計
あらかじめ断っておくと、僕は人工知能エンジニアではありません。 正直なところ、技術的なことはよく知らないと断っておきます。
専門家からよく聞く話だと「データを基にして『人間のカン』を数理的に再現する技術」ということなので、そのイメージを比喩に話していきます。
一般にヒトと機械を分ける「感情」の存在は証明されていません。 しいて言うならば、「何かの目的のためだけに作られたものが機械」で、我々人間はそうでないし、そうであってはいけないからこそ人間なのでしょう。
要領の悪い人間が「カン」を理解するために、人工知能のマネをしましょう。
人間は得意不得意があるので、少ない回数でもパッとコツがつかめることもあれば、そうでないこともあります。
なんでも要領よくできるのであれば良いのだけど、なかなかそうもいかない。 苦労してるのに、「こんなの簡単なことだ」などと言われて心が折れることもよくあります。
本当は苦しんでいるのに、「人間の心がない」といわれても
こと人付き合いに関して、「人間性」についてとやかく言われた日には、自分は「出来損ない」なんじゃないかと自己嫌悪に陥ることすらあるでしょう。 それぐらい、いろんな人が気にしているクリティカルな話題です。
「人間的にまともな感覚」というのが、どうやら自分には無いんじゃないかと苦しんだことも大なり小なりあるかと思います。
しかし、こういう時に、自分の善悪だとか人間性だとかを振り返ったところで、何ひとつ解決にならないのも世の常です。
人間は、外から見えるものでしか評価されないものです。中身が凶悪殺人犯と同類だろうが聖人だろうが、まったく関係なかったりします。 解決において自己批判や内省は、自分を傷つけ行動意欲を削るだけの毒にもなりうるわけです。
「人間性」がアテにならないなら、人工知能の学習プロセスをなぞるのが一番でしょう。 知識や経験をひたすら増やして、膨大なケースを頭に叩き込んでそれらしく振舞う以外に、解決策はありません。
恋愛を例に
恋愛はその最たるものだ。「真心さえあれば、小手先の駆け引きや経験人数は問題じゃない」なんて綺麗ごとを言われたりもしますが。
でも、その実ハタから見たら「平気で男を乗り換える悪女」でも、「隠れて派手に女遊びする男」でも、当事者たちの中では真剣そのものだったりする。 たしかに、人を愛する気持ちは大事ですね。全部茶番だと思って恋愛ムードを演出しても、セックスしか盛り上がらないというのではさほど楽しくないでしょう。
とはいえ、多くの人に好まれるやり方・避けられるやり方というのは存在します。 人間関係は、人それぞれ好き嫌いがあるので、百発百中の方法は存在しないですが、特定の需要傾向は存在します。
まともな人間でも、過去の失恋を経験することでより良い方法を見つけたりするでしょう。 「新しい恋人にはこんな気づかいをしよう」、「ああいうことは言わないでおこう」と気づいたりします。
これは、データの蓄積によって判断を変化させていることに他ならないわけです。 「相手を思いやる気持ちがあれば、自ずとわかるはず」なんて綺麗ごとで、学習データをもとに人間は行動を変えることの方がおおいのです。
絵を描くのだって、上達するためにいくつも形を真似たり、腕の立つ先人たちの知恵を借りたりしています。
恋愛に限らず、人間関係でもアートでも料理でもなんでも、経験や見聞きすることでデータを集めることで、「要領」と似たようなものが身に着く。
要領がわからないうちは、とにかくデータを集めて傾向をつかむことが大事なわけです。 そうすれば、天然物の要領は身につかなくても、徐々にそれらしいことはできるようになるのですから。
人工知能になろう。
人間は、金を稼ぐためだけに、つがいを作るためだけに生まれてはいません。 少なくとも、人権思想のもとにある日本という国ではそう認められています。
ただし、解決したい「課題」 自分の思った通りにできないこと・それに伴う停滞というのは常にどこかで発生します。 そうしたときに、自分の中に、目的を達成するために作られた「機械」をインストールしていきましょう。
アンドロイドでも人間でもない、サイボーグをめざしましょう。